「手湿疹の原因は食器用洗剤なの？」
指先がガサガサと乾燥していたり、ヒビ割れを起こしたり、水泡が出来ることもある手湿疹。原因は食器用洗剤だけだと思っている人は少なくありません。
手湿疹とひとことで言っても原因は様々で、症状も人によって異なります。
今回は、あまり知られていない手湿疹の原因と、その症状について詳しくご紹介します。
手湿疹はなぜ起こるのか
手湿疹の大きな原因は、皮膚のバリア機能が低下してしまい、皮膚がダメージを受けてしまうことです。水仕事をしている人や、毎日の家事を通して、手を何度も水で洗っていると皮膚の表面のバリア機能が低下してしまいます。その時に、食器用洗剤など刺激の強い物質が皮膚につくことで炎症を起こしてしまうことがあり、それを手湿疹と呼んでいます。
食器用洗剤以外にも、美容室のパーマ液など強い薬剤を使っている職業の人は手湿疹になりやすく、とくに乾燥しやすい冬場や、夏場でも手湿疹が起きることが特徴です。
手湿疹の多くは外部からの刺激によって、皮膚が炎症を起こしてしまいますが、その原因となる刺激物は人によって異なります。
手湿疹の主な原因となる刺激
＜物理的刺激＞
紫外線、部屋の乾燥、温風、冷風など気温や天気などから刺激を受けることもあります。仕事に関わらず、手湿疹になっている場合は疑った方がいいです。
＜化学的刺激＞
食器用洗剤、界面活性剤の入ったシャンプー、パーマ液などの薬物、アルコールの入った化粧品など、皮膚にとって刺激になる物質が入っているもの。日常生活で使用しているものに含まれていることが多く、原因に気付き、それを排除することで改善することが可能です。
ただし、美容師のパーマ液など排除出来ないケースもあるので、その場合は対策が必要になります。
＜アレルギー＞
金属アレルギー、花粉アレルギー、ハウスダスト、植物や動物などでアレルギー反応を起こしてしまい、手湿疹になることもあります。
＜体質的要因＞
乾燥肌や混合肌など、肌の皮脂コントロールが難しい肌の人は手湿疹になりやすいです。それ以外にも皮脂分泌異常である、発汗異常であると手に水泡が出来やすい、など体質的に手湿疹になりやすい人もいます。
手湿疹が起きるメカニズムを解説
手湿疹になる人は、肌が何らかの刺激を受けていることが多いです。人間は元々四足歩行だったこともあり、顔や身体の皮膚よりも手の皮膚の方が分厚くなっています。分厚い皮膚に対し、汗腺はあるものの皮脂腺がないので元々乾燥しやすいのが手の皮膚の特徴です。
健康的な皮膚には、外からの刺激から皮膚を守るバリア機能が付いています。しかし、毎日の水仕事などによって繰り返し手を濡らしていることによって、バリア機能が低下してしまうのです。すると、本来であればダメージにならないホコリなどのアレルギー物質や、食器用洗剤などの化学物質が皮膚にダメージを与えることになります。
ダメージを受けた皮膚は、アレルゲンや化学物質による刺激を受けて毛細血管が炎症を起こします。手湿疹を起こしていると手にポツポツと赤い部分が出来ているのは、血管が炎症を起こしているからです。血管が炎症を起こすとヒスタミンというかゆみを引き起こす成分が作られてしまい、それと同時に皮膚の表面にある角質がアレルギー反応を起こし、ガサガサしたり、皮がむけたりしてしまうのです。これが、手湿疹が起きるメカニズムです。
手湿疹で起きる「水泡」の原因は？
手湿疹の症状に、指先や手の平に水泡が出来てしまうことがあります。水泡は汗疱（異汗性湿疹）と呼ばれていて、主な原因は汗です。角質表面が荒れていると、本来汗腺から出るはずだった汗が外に出られず、汗疱として現れてしまうのです。
手湿疹を改善するためには刺激を与えないことが大切
手湿疹で悩んでいる人は、出来るだけ水仕事をしないように心がけましょう。美容師など仕事で水に触る場合は仕方がないですが、自宅での食器洗いなどは手袋を使うなど、手に刺激を与えないようにします。金属やほこりといったアレルギーが原因の可能性もあるので、掃除をしっかりして手を清潔に保つことも大切です。
ハンドクリームが有効なので、手湿疹で悩んでいる人はぜひ試してみてください。
まとめ
今回は、手湿疹の主な原因を紹介しました。
- 水仕事などで手のバリア機能が低下していると手湿疹になりやすい
- 手湿疹の原因には物理的刺激、化学的刺激、アレルギー、体質的要因がある
- バリア機能の低下した皮膚に刺激が与えられると皮膚が炎症を起こしてしまう
- 刺激を与えないようにする、ハンドクリームなどが効果的
手湿疹は主婦湿疹とも呼ばれるくらい、家事と関係が深い症状です。まずは毎日の生活を見直し、手への刺激を減らす生活を心がけることで改善しやすくなります。治りにくいといわれていますが、根気よく対処すればよくなりますので、まずは刺激の原因除去を行いましょう！
