「手荒れと手湿疹って何が違うの?」
手荒れも手湿疹も、どちらも手の平や指の先がガサガサと荒れる、ヒビが割れているという症状があります。しかし、手荒れと手湿疹は明確に異なります。
ハンドクリームを塗って治るのが手荒れ、複数の原因が重なっているものが手湿疹なので、手湿疹はハンドクリームを塗っているだけでは治りにくく、長期的な症状が出てしまいます。
今回は手湿疹と手荒れの違いと、日常生活に潜む手湿疹の原因をご紹介します。
手湿疹と手荒れの違い
手に刺激物がついてしまい、その原因がはっきりしているものを接触性皮膚炎(手荒れ)と呼んでいます。それに対し、手湿疹は皮膚のバリア機能が低下してしまい、そこに刺激物が付着することによって慢性的に起る炎症のことをさします。
手湿疹の原因は複合的なものが多く、治りにくいことが特徴でもあります。
手湿疹が起るメカニズム
人間の皮膚には、外部からの刺激から守るバリア機能がついています。しかし、水仕事や食器洗いなどで長時間水に触れていることや、界面活性剤などを使った食器洗いなどを繰り返していると、皮膚表面のバリア機能が洗い流されてしまい、バリア機能が低下してしまうのです。
その状態でホコリや金属といったアレルギー物質に触れたり、シャンプーや食器用洗剤などを使用していたりすると皮膚に大きなダメージを受けてしまい、手湿疹を起こしてしまうのです。
手湿疹は、季節に関係なく起きることが多いです。手の皮膚には皮脂腺がないので、乾燥に弱いため、冬場の方が手湿疹の症状が出やすいですが、夏でも手湿疹の症状は出ます。数年単位で症状に悩まされる人がいるほど、長期的な症状です。
日常生活に潜む手湿疹の原因
手湿疹には、主に3つの原因があると考えられています。日々の生活に潜んでいるものが多く、手湿疹で悩んでいる人は、どの原因が自分の手湿疹の原因になっているか見つけなければ完治は難しいです。それぞれの特徴を確認してみましょう。
(1)物理的刺激
物理的に皮膚にダメージを与える刺激です。代表的なものでは、紫外線がまずあげられます。紫外線は皮膚にダメージを与えることでも知られていますが、バリア機能が低下している皮膚には大ダメージになることが多いです。外に出るときは黒い手袋などをする必要があります。
また、空気の乾燥、エアコンの温風・冷風も皮膚へのダメージに繋がります。手の皮膚がカサカサしている手湿疹の症状が見られたら、まずは感想を疑わなければいけません。
(2)化学的刺激
手湿疹に最も関係があるとされている原因です。界面活性剤は、いわゆる汚れを落とす洗剤などに含まれています。汚れを落とすのと同じように、手の皮膚のバリア機能も落としてしまうので、使用する際は注意が必要です。食器用洗剤、洗濯洗剤に含まれていることは良く知られていますが、シャンプーや洗顔にも含まれていることがあるので、自分が使っている商品の見直しを行うことも手湿疹改善の近道です。
美容室のパーマ液、染髪料などの薬剤、消毒液、セメントなども化学物質によるダメージを肌に与えます。
手袋などで防げるところは防ぎ、対処できないところはハンドクリームなどを使って対処することが大切です。
(3)アレルギー
バリア機能の低下した皮膚に、アレルギーのものが触れると手湿疹を起こすことがあります。
金属アレルギー、花粉アレルギー、ハウスダストなどが主なアレルギーです。部屋が汚れていてハウスダストアレルギーを発症していたり、ブレスレットや時計などの金属に反応して手湿疹が出ていたりすることも少なくありません。
また、植物からもアレルギー反応を示します。ネギ、ニンニク、レタスなどの野菜を調理しているときにアレルギーを出している可能性もありますし、飼っている動物のアレルギーで手湿疹に繋がっているパターンもあります。
料理で触れる食材は素手で触るのが基本なので、アレルギーに気付きにくいというデメリットもあります。また、ゴムでアレルギー反応を出してしまう人もいるので、慢性的な手湿疹の場合は疑った方がいいかもしれません。
毎日の生活に原因がある場合、見つけ出して除去をしないと手湿疹は治りません。まずは自分の生活で刺激になるものを見つけ、除去することを繰り返しましょう。パッチテストを行って、自分の皮膚に刺激になっているものを見つけ出す方法もあります。
まとめ
今回は、手湿疹と手荒れの違いと、日常生活に潜む原因について紹介しました。
- 刺激物に触れて被れるのが手荒れ、複数の原因による手の炎症を手湿疹と呼んでいる
- 手湿疹は長期的な症状になることが多い
- 紫外線やエアコン、食器用洗剤やシャンプー、アレルギーが刺激なることが多いので、早めに原因を見つけ出すことが大切
手に刺激を与えないような生活を心がけることで、手湿疹を緩和することが出来ます。明らかな刺激になりそうな食器用洗剤などはゴム手袋などで対処した生活を心がけましょう。