私は、皮膚は強い方で、手荒れなど経験した事がありませんでした。
そんな私が手湿疹になった原因は出産でした。赤ちゃんの周りは清潔にしないといけないという気持ちから過敏になり、できる限り身の回りをきれいにするように心がけました。
子どもの服が汚れれば、入念な手洗いを毎日何度としましたし、子どもの口に入るものの食器類は、漂白などもマメにしていました。
その頃から、寒い季節でもないのに、手荒れに悩まされるようになりました。しかし、クリームなども寝る前以外は、結局、すぐに水を使うので、面倒で塗ることもせず放置していました。
そのうちに治るだろうと、ついつい育児の方が気になって、自分の手のケアまで考えていませんでしたが、段々と手の甲が痒くなり、赤味が出ては引くというのを繰り返すようになりました。
しかし、始めのうちは、意識して洗い物の時間をまとめるようにしたりしていると、ましになっていたので、大したことはないのかなと。子どもの洗い物に待ったはないので、直接洗剤が手に触れるように洗う事を止めませんでした。
そんな日々はしばらく続けていると、指先や手の甲に赤味がかかりブツブツと湿疹ができ始めました。結構痒くて、寝入る前に痒み気になってくると、全く寝付けませんでした。
指先は、ひび割れて治るたびにカチカチになっては、違うところがひび割れるという感じで、水に当たっても痛いので、絆創膏だらけでした。
重病というわけではありませんが指先は痛くて、手の甲は痒い、地味ながらも一日中気になるストレスと悩みで精神的にも疲れが溜まっていき「解放されたい」、と思って、ドラッグストアの薬コーナーで食い入るように、商品のキャッチコピーを読み比べたり、成分を見たり、試し塗りをしたりしました。
薬も色々と買っては試しましたが、痒みを抑える事がなかなかできずにいました。考えると痒くなると思い考えないようにしましたが、手がうずきます。寝る前に、クリームをつけてラップで巻いて寝たりする事もありましたが、手の甲の痒みは全くおさまりませんでした。
季節によって多少良くなったりぶり返したりの状態が、1年くらい続きました。
転機は子どものかかりつけの小児科が、ちょうど休診日だったので、新しくできた色々な科のあるクリニックに行ってみたこと。
子どもを受診してもらっていると、先生に、
「お母さん、手、辛くない?」
と聞かれました。
分かってもらえたのが嬉しくて、先生に経緯を説明すると、子どもに触れても大丈夫な薬を一緒に出してくれました。ワセリンと軟膏でしたが、先生は、
「面倒でも手袋を使った方がいい」
と言われました。今までも手袋は考えましたが、面倒だったんです。先生の、「面倒でも、〜」という言葉で、やっと前向きに手袋を考えるようになりました。
そこで、使い捨てのしっかり密着する手袋を買いました。歯医者さんが使っているような手袋なので、細かい作業にも対応できるので、メインで洗い物をする時は、使うようにしました。薬もマメに塗るようにしました。
そうすると、半月くらいで、軟膏は使わなくても大丈夫になり、ひと月くらいで、手湿疹は治まっていきました。
ただ元々皮膚が強かったはずなのに荒れやすい体質に変わってしまったようで、今でも、予防の手袋とハンドクリームは欠かしていません。
今思うと出産自体で体質が変わってしまったのかも、と思います。これから出産というタイミングの人には気をつけてと言ってあげたいです。
大阪府 にこ 女性 46歳