「指や手の平に出来た水泡はつぶしていいの?」
手湿疹(手あれ)の症状に、水泡が出来るというものがあります。直接痛みはないものの、かゆみがあるため、つぶしてしまいたいと思う人も多いはずです。
手湿疹における「水泡」はつぶしてはいけません!
逆に悪化する恐れがあるので、治まるのを待ったほうがいいのですが、指先に出来ている場合など放置すると違和感がありますよね。
今回はなぜ水泡が出来てしまうのか、水泡が出来ないように対処する方法をご紹介します。
手湿疹の「水泡」はなぜ出来るのか
手湿疹における水泡というのは、汗疱(かんぽう)、異汗性湿疹と呼ばれています。手の汗が水泡となって皮膚に出てきてしまう症状のことで、いわゆるあせもと同じです。かゆみなどの症状もありますし、指先に汗疱が出来ていると単純に邪魔なので、手湿疹の症状の中でも早めに対処したい症状。
指先に出る人もいれば、手の平に広範囲で出る人もいるため、症状は様々です。
ご存知の通り、手の平にも汗腺と呼ばれる汗を分泌する部分があります。しかし、水仕事などをしていたり、強い薬品を使っていると手湿疹(手あれ)の症状が出て、手の皮膚がふやけた状態に。手が荒れている状態だと、角質層が正常に機能しないので、汗腺を塞いでしまうのです。蓋をされている状態でも、汗は分泌されるので、水泡、つまり汗疱として手に現れてしまいます。
汗疱/異汗性湿疹はつぶしていいの?
汗疱(異汗性湿疹)の中身は汗なので、つぶしてしまっても問題ないと思われるかもしれませんが、つぶしてしまうとその部分に刺激を与えることになります。角質層レベルのダメージを皮膚に与えてしまうので、手湿疹が悪化する可能性があるので、つぶさないようにしましょう。
「汗疱をつぶすと水泡が他の場所にうつる」ということはないのですが、皮膚にダメージを与えないことが手湿疹改善の第一歩なので、つぶさないようにしましょう。
汗疱が出来やすい人と出来にくい人の違い
汗疱は手湿疹の症状のひとつですが、手湿疹で悩んでいる人全員に汗疱が出来るわけではありません。汗疱が出来やすい人は「手に汗をかきやすい」人です。そのため、皮膚科では汗を抑える内服薬を処方されることがあります。
汗のかきやすさは体質なので変えることは出来ませんが、以下のような行動が多い人は手に汗をかきやすいです。
- お酒をよく飲む人
- 脂っこいものばかり食べている人
油の多いものをたくさん食べると、身体から汗が出やすくなります。また、お酒を飲むと皮膚を作るのに必要なビオチンという成分が減少してしまうので、汗疱が出やすくなってしまいます。
根本的な話ですが、手湿疹や手あれが起きていなければ汗腺から正常に汗を出すことが可能なので、まずは手湿疹を治すことも重要になっていきます。
汗疱を出来にくくする3つのテクニック
汗疱の悩みを持っている人は、汗疱を出来にくくする3つのテクニックをご紹介しますので、ぜひ試してみてください。
(1)洗剤やシャンプーを見直す
手湿疹を治すためには、手に与える刺激を最小限にする必要があります。食器用洗剤は出来るだけ刺激の少ないものを使いましょう。洗うときにはゴム手袋をつけて、手に水や洗剤がつかないようにすることも効果的です。
盲点なのはシャンプーです。シャンプーは髪の毛や頭皮に着いた汚れを落とすために界面活性剤という洗浄力の高い成分が使われてものがあります。界面活性剤は汚れをよく落とすのですが、手に与えるダメージが大きいので、シャンプーを見直すことも汗疱を減らす第一歩です。
界面活性剤が入っていないシャンプーやコンディショナーを使うことを意識して、生活してみると汗疱が治まるかもしれません。
(2)保湿をすることも重要
手湿疹を治すには保湿が重要です。ハンドクリームをこまめに塗ったり、寝るときには綿の手袋をつけたり、手を労わるようにしましょう。肌のゴールデンタイムと呼ばれる、22時~2時の4時間は、皮膚が新しいものに変わるターンオーバーが起きます。肌が乾燥しているときや、荒れているとターンオーバーの周期が乱れてしまい、回復が遅くなってしまいます。
ターンオーバーが一番よく起きる、ゴールデンタイムにはハンドクリームを塗って綿の手袋をつけて眠っているのが理想です。
(3)手汗を抑えるクリームを使う
手汗を抑えるクリームというものが市販薬にあるので、汗疱が酷く広がっている場合はそういったクリームを利用するのもよいでしょう。手がさらっとするので、汗疱のかゆみにも効果的です。汗疱が広がる前に塗るのが理想なので、手汗が酷いなと思ったら塗るようにしましょう。
まとめ
今回は手湿疹の症状である水泡の原因と対策方法についてご紹介しました。
- 水泡は汗疱/異汗性湿疹と呼ばれていて、あせもと同じ原理で出来ている
- 手湿疹によって皮膚の表面が感染を塞ぐことによって出来る
- かゆみがあるが、つぶすと手湿疹が悪化するため避ける
- 手湿疹を治すように洗剤の見直し、保湿、手汗を抑えるクリームなどで対策できる
あまりにもひどい場合は皮膚科で相談するようにしましょう。